生理不順
生理不順は、基礎体温表を記入すると様々な事が分かってきます。基礎体温表は、毎朝同じ時間に体温を測定し、点をつないでいきます。正常な月経周期は、基礎体温曲線にて低温相が12~20日続き(一般には生理が来ると低温期になります)、排卵後に10日以上の高温相が続きます。
▲一般的正常な生理周期
女性の体中でホルモンバランスの異常がある場合、月経周期の乱れを生じます。排卵がある場合で、低温相が21日以上つづく時は「過長卵胞期」、高温相が9日以下と短い場合には「黄体機能不全」が疑われます。
排卵を伴わない場合でも、生理様の出血があることがあります。これは、エストロゲンと言うホルモンの分泌が少ないことが原因と言われます。また、黄体ホルモン(プロゲステロン)と言うホルモンが少ない場合、子宮内膜がもろくなり、出血しやすくなり、少ない出血を数回認めます。無排卵(排卵を起こさなくとも)でも出血する事が出てくるわけです。出血があれば、排卵があると言うことではないのです。
90日以上生理が来ない場合は、無月経と言います。このような女性は、自然には妊娠することは難しいと考えられています。このような女性は、年齢に関係なく、お早目の検査をお勧めいたします。
このように、女性のホルモンは多過ぎても少な過ぎてもダメなのです。生理不順は、原因によって不妊症にもなります。
【生理不順を起こす病気】
- 1. 視床下部障害
- 2. 下垂体障害
- 3. 高プロラクチン血症
- 4. 卵巣性障害
- 5. 多のう胞性卵巣症候群
多のう胞性卵巣症候群とは?
卵巣にはたくさんの卵子のもとになる細胞があります。この細胞は卵胞という袋に包まれて存在し、卵子が発育するとこの卵胞も一緒に大きくなります。卵胞は2cmほどの大きさになるとホルモンの作用で破裂し、成熟した卵子がお腹の中に排出されます。この現象が排卵です。通常、排卵は規則的に行われます。また、卵巣中では同時に複数個の卵子が成長しますが、成長した卵子のなかで最も状態のよい1個のみが排卵されます。
多のう胞性卵巣症候群(PCO・PCOS)では卵巣中にこの卵胞がたくさんできます。しかしある程度の大きさまでしか成長しません。そのため中の卵子も発育せず、排卵も起こりにくくなります。結果、不妊症になる可能性が高くなります。
【自覚症状】
- 1.月経不順:(時々排卵する)
- 2.無月経:(全く排卵なし)
- 3.男性化:(ヒゲが生える・声が低くなる・にきびができる・乳房が小さくなる・筋肉量が増える。)
- 4.肥満
- 5.月経過多
- 6.不妊
【診断方法・検査】
- 1.問診
- 2.基礎体温分析
- 3.血液検査
- 4.糖負荷試験
- 5.超音波検査
- 6.MRI(核磁気共鳴診断装置)
- 7.その他(腹腔鏡検査)