婦人科がん検診
婦人科の検診は、『子宮頸部』『子宮体部』『卵巣』に大別されます。
当院では全ての検診が可能です。
『子宮頸癌』
子宮頸癌は早期発見・早期治療すれば完治する癌の一つです。しかしながら、近年では子宮頸癌の若年化が報告されています。以前は30歳以上の女性が対象となっていた子宮頸癌検診ですが、自治体によっては、20歳以上の女性が全て対象となっています(2年に1回のペース)。
▲正常頸部扁平上皮細胞
▲正常頸部腺細胞
子宮頸癌の原因としては、ヒト・パピローマウィルス(HPV)がほとんどだと言われています。HPVには多くの種類があり、子宮頸癌になりやすい高リスクのものから、低リスクのものまで様々です。このウィルスは、20代で約20%に感染しているとの報告もあります。HPVによる感染は無症状のため検診が大変重要となります。
▲HPV感染細胞
【子宮頸癌検診検査の流れ】
▽視診・問診・細胞診検査
子宮の入り口から細胞を綿棒やブラシで採取し、顕微鏡で調べます。採取時間は2~3分程度で、痛みはほとんどありません。 結果は2週間前後で出ます。
▽精密検査・組織診検査
細胞診検査で異常が見つかった場合には、確認のために精密検査をします。
▽円錐切除術
組織診で異常が見つかった場合には、子宮の頸部を円錐状に切り取る処置です。
原則として、2泊3日の入院です。
▲子宮頸癌(角化型)
▲子宮頸癌(非角化型)
『子宮体部』
子宮体癌は、食生活の欧米化に伴い急速に増加しています。なお、子宮体癌は、閉経を迎えた後に好発する癌です。子宮体癌のリスクファクターは肥満・糖尿病・高血圧と言われ、症状としては不性器出血を認めます。
【子宮体癌検診検査の流れ】
▽視診・問診・細胞診検査
超音波検査で子宮内膜の状態を見ます。その後、専用の採取器具で子宮内膜を採取し、顕微鏡で調べます。
▽精密検査・組織診検査
細胞診検査で異常が見つかった場合には、確認のために精密検査をします。
『卵巣』
▽視診・問診・MRI検査
超音波検査で卵巣の状態を見ます。加えて、MRI検査も実施します。